top of page

作品紹介

映画『クルーレス』が公開された1995年から2004年『ミーン・ガールズ』までのティーン映画を収集、分析した本作。引用された映画はなんと約200本! 

ティーンムービーがもつ最大のトリックは、再見に値しない映画だと装っていることだ。誕生から50年以上経ち、低俗な添え物からハリウッド を代表するジャンルへと成長したにもかかわらず、ティーンムービーは興味深いことに未だ綿密な検証がなされていない現象に留まっている。

脚本と監督は数多くの賞を受賞している映画批評家チャーリー・ライン、ナレーションを務めたのはティーンムービーのスター、フェアルーザ・ バーク、そして注目のポップデュオ「サマーキャンプ」が演奏とオリジナルスコアを提供した『ビヨンド・クルーレス』は、200本以上の現代ティーン映画の 名作を通じて辿る、ティーンムービーの心と身体と魂への目も眩むような旅である。

ティーンムービーの秘められた心にむけて勢いよく飛び込んでいくことで、本作はパラレル・ユニヴァースの中に入っていく。私たちがかたや愛 し、かたや憎んできた大きなスクリーン上のティーンたち一世代がみんなここにいるのだ。『ビヨンド・クルーレス』は思春期の熱い夢であり、同時にめくるめ く視覚的なエッセイである。映画そのものを顕微鏡の下におき、ティーンムービーの脈打つ心臓に迫る冒険を始めるのだ。

忘れられた名作が掘り起こされ、懐かしの人気作はアップチューンされ新たな意味を持ち始め、騒々しいハウスパーティ、きらびやかなプロムや 喜びに満ちた卒業式が魅惑的な映画の世界を作り出す一方で、それらの裏側で本当は一体なにが起きているのかという問いが投げかけられる。

『ザ・クラフト』はティーンエイジャーにとってサバイバルガイドの決定版なのだろうか。デヴォン・サワ主演の見ている人がほとんどいない 『アイドル・ハンズ』は、思春期の恐怖に光を当てることができるのだろうか。『ユーロ・トリップ』の表層の下で一体なにが起きているのだろうか。『ビヨン ド・クルーレス』を見れば、二面性をもったハリウッド映画的青春の日々とその裏側すべてを知ることができる。

bottom of page